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第5回 「ルールって…」
2009年8月27日更新

ゴルフの「ルール」って難しい。18年ぶりにツアー復帰した関西オープンの取材で、つくづくそう思った。

問題となったのは初日11番パー4で、遼くんがOB区域とは知らずに球を打った件だ。「5」でホールアウトしたはずが結局「7」となったのだが…。

本来ならば、OB区域で球を打てば「誤球」となる。2罰打を受け、正球をプレーしなければならない。誤りに気づかなかったり、訂正しないまま次のホールの第1打を打てば「失格」になる。ただし、今回の場合は競技委員が「セーフだ」と誤った指示を与えたために、遼くんが誤球をプレーしてしまったと判断。誤球の罰は課さないことになった。

では、なぜ「7」というスコアになったのか? 競技委員会が公表した遼くんの11番ホールのスコアの詳細は、第1打が(結果的に)OB。1罰打を加えた第3打(暫定球)は左ラフへ飛んでいた。〝誤球事件〟はその後に起こったため、遼くんは誤球まで3打を要していた計算になる。その後、誤球でホールアウトするまで4打を要した。つまり3+4=「7」という裁定を下したわけだ。

競技委員が間違った指示を与えた場合、選手の間違った処置は免除されるのが〝慣例〟という。それならば、遼くんは無罰でもおかしくない。「でも、それでは他の143選手に対して不公平。OBの球を打ったのだから」(日本ゴルフツアー機構・山中博史専務理事)。

では、なぜ失格ではないのか? それについても「石川選手は誤った指示を受けて打ったのだから、失格の処分は重すぎる」と同理事は見解を示した。

ゴルフ規則には「競技委員が間違った指示を与えた場合」の項目はない。ただし「規則に関する争点について適用できる規則がないときは、公正の理念に従って裁定がなされるべきである」(第3章1の4)とある。今回の場合も「公正の理念」に基づいた裁定で、〝ケンカ両成敗〟のような結論になったわけだ。「自分自身が審判」と呼ばれるゴルフの難しさ、奥の深さを、改めて痛感した思いだ。

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著者プロフィール

木村有三(きむら・ゆうぞう)
1974年12月28日、大阪市生まれ。同大ゴルフ部時代は、関西学生ゴルフ連盟競技委員長を務める。98年日刊スポーツ新聞社入社。02年プロ野球・オリックス担当。99~01年、03年から現在まではゴルフ担当。海外メジャーは、今年マスターズまで男女合わせて17大会を取材。
趣味は競馬、競輪。
≫ニッカンスポーツ・コム

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