ゴルフパークと日刊スポーツ木村有三がお届けするゴルフツアーコラム キム兄のOH!MYゴルフ
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第14回 「輝いていた14年前の原点で…」
2009年10月29日更新


(C)2009 GolfPark

今年のマイナビABC選手権の話題の中心は、やはり石川遼だ。昨年、プロ転向後のツアー初優勝を飾った思い出の大会で、連覇できるかが最大の関心事だろう。

それでも、注目したい選手が他にいる。14年前のABCゴルフ倶楽部で、石川と同じように涙の初優勝を果たした田中秀道だ。その優勝シーンを僕は、関西学生ゴルフ連盟から派遣されたアルバイト員として、18番の第2打地点から見ていた。それだけに、田中への思い入れも強い。

02年から5年間、夢の米ツアーに挑戦した田中は、身も心もボロボロになって日本に戻ってきた。95年から01年まで、日本で10勝を挙げたころの輝きは失われた。06、07年の獲得賞金はわずか60万円余り。開幕戦で腰を痛め、その後は試合にも出場できなかった08年は、ついに0円…。辛すぎるシーズンだった。

そして迎えた今季。98年日本オープン優勝で得た10年シードは昨年限りだったが、腰を痛めたことによる「特別保障制度」によって出場権を確保。だが、先週まで16試合に出場し、予選通過したのは5試合。つるやオープンの35位が最高位と、まだまだ全盛期の状態には程遠い出来にある。そんなことは、田中も分かっている。分かっていても、光が見えるチャンスがある限り戦うしかないのだ。

「最近は思い通りになりそうでならないジレンマがあって、いらつくこともあるけど、そういういらつける状態にあるのは、うれしいことでもある。自分に期待できる状態になってきたってことだからね。今季の残りでシードを取るんだという強い気持ちもある。でも、(来年のツアー出場権を得るには)予選会のことも考えなきゃいけない。先のことも考えつつ、この大会で何かつかめたら。ここで、ね」。

予選ラウンドは、24歳だった95年の初優勝時に、キャディーとして支えてくれた弟子の富田雅哉と同組で回る。4月つるやオープンで初優勝し自信をつける弟子との直接対決は、38歳になった田中にとっても大きな刺激になるはず。思い出の地で、166センチの小さな体につまっているはずの才能が覚醒するのか。最近の調子を考えると軽々しく「楽しみ」とは言えないが、じっと静かに見守りたい。

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著者プロフィール

木村有三(きむら・ゆうぞう)
1974年12月28日、大阪市生まれ。同大ゴルフ部時代は、関西学生ゴルフ連盟競技委員長を務める。98年日刊スポーツ新聞社入社。02年プロ野球・オリックス担当。99~01年、03年から現在まではゴルフ担当。海外メジャーは、今年マスターズまで男女合わせて17大会を取材。
趣味は競馬、競輪。
≫ニッカンスポーツ・コム

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