
石川遼は今季開幕前、どんなことを最大目標に掲げていたのか|。ふと、思い出してみた。確かに「賞金王」は、照準ではなかった。「海外メジャーの予選通過」でもない。はっきりと覚えてるのは「バーディー率を4・00以上にしたい」と言っていたことだ。
バーディー率とは「バーディー以上のスコアで上がるホールが、1ラウンド平均でいくつあるか」。つまり、石川は「1日4バーディー」の以前からのノルマをシーズン通して達成したいと考えていたのだ。
平均スコアやパーオン率、平均パット数など部門別ランクの〝主要部門〟に比べて、バーディー率はピンとこない印象があった。だが、石川の父勝美さんが「バーディーをたくさん取るためには、アイアンやパットの精度が高くないといけない。バーディーを取ろうとすることで、パーオン率や平均パット数も上がってくるんじゃないですか」と話していたことを聞いて納得した。プロゴルファーの〝攻撃力〟を顕著に示すデータが、バーディー率なのだ。
そういえば、石川が彗星のごとく現れた2007年のマンシングウエアオープンKSBカップ。その練習日、まだ無名だった15歳を独占取材する機会があったのだが、そのときも「1日4つのバーディーをとりたい。できるだけたくさんバーディーを取りたい」と目を輝かせていた。バーディーに対する思い入れは、そのころから強かった。
85年以降の日本男子ツアーで、最高のバーディー率をマークしたのは94年尾崎将司で「4・77」。その年の尾崎は年間7勝を挙げ、史上初めて獲得賞金2億円を突破した最盛期だった。今年の石川はカシオワールドオープン終了時で「4・46」。もちろん部門1位だ。今週の日本シリーズJT杯で4日間45個のバーディーを奪えば尾崎を抜く新記録になるが、それはちょっと難しい。しかしながら、昨年の「3・83」から大躍進したのは、素晴らしい。見事な「公約実現」だ。賞金王争いの最終章を迎えた今週の日本シリーズJT杯でも、感動と興奮のバーディーを量産してくれることだろう。
2010年
2009年
