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第69回 「春への助走」
2012年2月1日更新

石川遼が、今年最初のチャレンジを終えた。早々と1月の米ツアー2試合に参戦。ソニーオープン・イン・ハワイでは予選落ちに終わったが、ファーマーズ・インシュランスオープンでは初日から3日間続けて60台をマークし、最終日こそスコアを伸ばせなかったが13位に入った。

僕は2試合とも、日本でテレビ観戦しただけなので偉そうなことは言えないが「今年の石川は期待できそうだ」というデータを紹介したい。

まず、ひとつ目はパーオン率が上昇したこと。昨年の米ツアーでは55・77%(187位)、コースが易しい日本ツアーでも62・28%(48位)と低い数字だったが、1月の米2試合では66・67%を記録。その数字自体は米ツアーで部門別100位内にも入れない数字ではあるが、少しでも上がってきた点に光明がある。アイアンの精度が上がってきたと言えるし、それは米国の芝や米ツアーの難設定に慣れてきたとも言えるからだ。

アイアンの精度という点では、パー3の平均スコアにも注目したい。昨年の米ツアーでは、通算23オーバー(101位)、日本でも通算23オーバー(40位)と苦しんだ。だが、今年の2試合では、パー3の通算スコアをイーブンパーに抑えた。その数字が示しているのは、アイアンの上達だけではなく、風を読む力やグリーン周りの難度の把握など、総合的な状況判断も伴ってきた―ということだろう。

もっとも、課題もある。ファーマーズ・インシュランスオープン最終日、石川は最終組の4組前で回った。グリーンも荒れ始める時間帯だし、最終日だけあってピン位置も厳しい。その中で、ショートパットを打ちきれない場面があった。距離感を合わせるタッチには非凡な石川だが、短い距離のパットが弱くなるときがある。荒れたグリーンでは芯で打つと同時に、少し強めに打つことも求められる。日本人選手で言えば、藤田寛之や谷口徹のように微妙な距離を「パチン」と打てれば、入る確率も高まるはずだが…。

収穫や課題をすべてマスターズにつなげたいという気力が、石川には他の誰よりもある。「マスターズに出ることが目標じゃなく、マスターズで優勝争いすることが目標」。その高い心意気がある限り、1度や2度の失敗で気持ちは萎えることもない。実りの”春”へ向けて、いまはまだ助走期間。マスターズ出場条件の「3月末時点の世界ランク50位内」に縛られることなく、2月の米ツアーでも彼らしい思い切りのいいゴルフを見せてほしい。

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著者プロフィール

木村有三(きむら・ゆうぞう)
1974年12月28日、大阪市生まれ。同大ゴルフ部時代は、関西学生ゴルフ連盟競技委員長を務める。98年日刊スポーツ新聞社入社。02年プロ野球・オリックス担当。99~01年、03年から現在まではゴルフ担当。海外メジャーは、今年マスターズまで男女合わせて17大会を取材。
趣味は競馬、競輪。
≫ニッカンスポーツ・コム

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■選手別登場回一覧(五十音順)

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た行
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ら行
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