谷口徹と12アンダーという同スコアで、18番での勝負となったブレンダン・ジョーンズ。お互いが勝負に出た2打目も18番グリーンを捉えることが出来ずの左のファーストカットへ。しかしそこからパターでアプローチしたボールは綺麗にカップに吸い込まれた。
奇跡のようなイーグルに御殿場は割れんばかりの喝采に包まれた。
同様に谷口徹もグリーン右側からのアプローチでチップインイーグルを狙ったが入らず万事休す。
7月に生まれた息子に初めて捧げる劇的な勝利となった。

ブレンダン・ジョーンズが奇跡の大逆転勝利

かつて、数々の大逆転や奇跡のショットで、観戦したギャラリーの割れんばかりの歓声に包まれてきた太平洋クラブ御殿場クラブの18番グリーン。
そして今年も奇跡はおこった･･･。

首位発進したブレンダン・ジョーンズだったが、12番と14番でボギーをたたき、今日絶好調の谷口徹に首位を譲ってしまう。
しかし、17番で、「今まで最高の5アイアンのショット」という一打で17番でバーディを奪い12アンダーで再び首位に並び勝負は18番へもつれ込んだ。

お互いグリーンを狙うという勝負に出た第2打目。
ブレンダン・ジョーンズの球はグリーン左のファーストカット、谷口の球はグリーン右のラフに行ってしまう。
距離の遠いブレンダンからのアプローチ。
本人曰く「寄せることをまず考えて打った」パターで打った球は、綺麗にラインに乗り、直接カップへ吸い込まれた。
割れんばかりの喝采が18番を包んだ。
それは、御殿場の18番ホールにまた一つ、新たな伝説が加わった瞬間でもあった。
谷口もチップインを狙い、あわや･･･と言うラインをたどったがボール2個ほど外れ万事休す。
劇的な逆転劇がここに完成した。
「距離も覚えていないくらい、記憶がないです。
とにかく寄せないとバーディは取れないし、谷口さんのイーグルトライもワールドカップの時のタイガーを思い出させるような素晴らしいショットだった。
入ってくれて良かったです。」
ジョーンズはこの勝利で賞金ランクも3位に浮上。
そして世界ランク6位、同じオーストラリア出身のアダム・スコットにも勝ち、絶好調のオーストラリア勢の中でも1位の成績を残した。

谷口　徹 (c)GolfPark 2007

2年連続の2位の谷口徹。

「今日は2人ともベストをベストを尽くしたと思うし、楽しかった。
でも、悔しいなぁ。チャンスはそうまわってくるわけじゃないから。」
2年連続2位という成績でも谷口徹の表情は明るかった。
ジョーンズやスコットとは全く違うゴルフスタイルで、我々に「ゴルフは飛距離だけではない」という一面を再認識させてくれたかのような素晴らしいアイアンとパッティングの妙技で最後まで楽しませてくれた谷口。
最後の最後、プレーオフを狙ったチップショットは、奇しくも2001年のワールドカップでタイガーが「奇跡のチップインイーグル」を決めたすぐそばの場所だった。
「（2年連続2位という結果）悔しいのは一緒だけどしょうがないよ。良いプレーをして勝てなかったんだから。彼のプレーは光っていた。
それでも、今日は飛距離のハンデを上手くコントロールできたと思う。」
と、谷口らしいさばさばとしたコメントに影やとげはなく、仕事人の満足感すら漂っていた。
賞金王への道も近くなった結果に対しては、
「それは意識をしてないから。ただ、結果でついてくれば嬉しい。
試合にでているときは優勝しか目標はないから。賞金王より優勝の方が何倍も嬉しい。」
と語った。

上位陣にオセアニア勢多数！キャンベル、スメイルもランクアップ！

3位にアダム・スコットが入ったほか、10アンダー4位タイにクリス・キャンベル、8アンダー6位タイにオーストラリア出身のスティーブン・コンランとニュージーランド出身のデービット・スメイルが名を連ねた。

招待選手のジェフ・オギルビーも最終日に66の好スコアでトータル10アンダーとし4位タイに入った。

注目の石川遼はパープレーでホールアウト、トータル2アンダー38位タイでベストアマチュアに輝いた。

＜公式発表＞
ギャラリー：9,474人
天候：晴れ
気温：18.0℃
風向：南
風速：4.5m/s

(c)GolfPark 2007