大混戦模様の本大会最終日。単独首位スタートのブレンダン・ジョーンズとともに、5アンダー首位タイでフィニッシュした兼本貴司は、プレーオフ3ホール目でジョーンズを下して、悲願の初勝利を決めた。「今日は辛かったことや、これまでの努力したことが頭に蘇ってきました。父が生きている間に、優勝したかったので本当に良かった」と言葉を詰まらせた。
「5勝くらいしているつもりで戦った」という兼本貴司
プロ17年目の兼本貴司が、ブレンダン・ジョーンズとのプレーオフを見事に制して、悲願のツアー初勝利を決めた。プレーオフ2ホール目までは、両者パー。3ホール目もパーとしたジョーンズに対して、兼本がバーディを決め、その長年の夢をついに叶えた。
「最終日最終組は久しぶりだったけど、自分はもう5勝くらいしているつもりで臨みましたね。そんな風にひたすら自分に言い聞かせていました。でも、やっぱり緊張しましたけど、パットが良く決まってくれたので、しのぐことができました。プレーオフでは、心地よい緊張感があって、鳥肌もあればドキドキすることもあって、ギャラリーの声援にジーンとすることもあって、そんな気持ちがクルクルと回っている感じでした」と兼本は振り返る。
「やっぱり泣けてしまいました」
「もう、すごく嬉しくて、今すぐにでも家に帰って、直接報告したい気持ちです。親父の体の調子が悪くて、生きている間に1勝したいと思っていたんです・・・。これ以上言うと、泣いてしまいそうですね。実は、優勝で泣く奴の気が知れないと思っていたんですが、親の顔とかこれまで苦労した思いがフラッシュバックして、やっぱり泣けてしまいました。できれば、もう1度勝って、この快感をまた味わいたい」と兼本は語っている。
兼本の優勝は、なかなか結果につながらないツアープレーヤーはもちろん、努力が実らない不安の中で奮闘を続けている多くの人たちに、希望を与えるものとなったに違いない。
他、プレーオフで敗れたジョーンズは、「今日は、ずっと優位に立っていたので残念だけど、兼本選手の終盤は、彼の最高のゴルフをしていたと思います」と語っている。3アンダー単独3位にP・マークセン。石川遼は、6オーバー30位タイに終わった。
【ツアーお楽しみトピックス】 |
兼本貴司
(c)GolfPark 2009 |