今シーズン、1日のギャラリー数としては最多の18,356人の大ギャラリーが詰めかけた太平洋クラブ御殿場コース。そんな大観衆の前で優勝を決めたのは今野康晴。サスペンデッドとなった第3ラウンドを2位に3打差で終えると、そのまま一度も並ばれることなく13アンダーで今季初優勝した。
2005年以来4年ぶり7勝目の優勝
2005年の日本シリーズJTカップ以来の優勝となった今野康晴。その間、プレーオフで敗れること4度。「長かった」と勝てなかった期間を振り返った今野。右肘や腰に痛みを抱えながらのラウンドで、終盤は「体に力が入らなくなっていた」と、決して調子がよいわけではなかった。ただ後続もスコアを伸ばしきれず、17番のパーセーブで「優勝できると思った」とのこと。18番は強いフォローの風にも助けられ、なんとかパーでしのぎきった。優勝を決めた直後のグリーン上には家族の姿があり、「パパ!」と抱きつく子供たちが、優勝シーンをほほえましく締めくくった。
賞金王争いの行方
ボギーをたたいてもすぐにバーディで取り返す、ギャラリーにとってはとてもおもしろみのあるゴルフで4位タイの好成績で終えた石川遼。15、17、18と自ら「最高でした」と振り返るショットで締めくくり、「本当に収穫があった1週間でした」とさらなる進化を予感させてくれた。「徐々に賞金王を目指していこうという気持ちになりつつある」と残り3試合への意気込みを見せる石川。怪我の影響で残り試合の欠場もありうると語る、当面の賞金王を争うライバル池田勇太とは対照的に、最年少賞金王へ視界良好だ。
今年も様々なドラマ
再来週のワールドカップを控える今田竜二は、8アンダー10位タイフィニッシュ。今年一年を象徴するかのような悔しい成績に終わった。「出るからには優勝を目指したい」と藤田寛之とともに挑むW杯へ、気持ちを切り替えて挑む。長く怪我に苦しんだ田中秀道が久しぶりにトップ10フィニッシュ。「まだまだやれるという気持ち」と復活を予感させる活躍だった。田中と同じく今大会で5位以内に入って、来週の出場を目指していた津曲泰弦。18番で微妙な距離のパーパットを外し、わずかに1打及ばなかった。天候もふくめ、今年も様々なドラマを演出してくれた御殿場コース。長く愛される大会であることが、その場にいるからこそ分かる、そんなトーナメントだ。
<公式発表>
ギャラリー:18,356人
天候:晴れ
気温:15.4℃
風向:南南西
風速:8.0m/s