2位に三打差をつけてスタートしたデービッド・デュバルは、楽勝ムードかと思われたが、終盤でもつれ、手嶋多一とのプレーオフへ。しかし、最後は、デュバルの貫禄勝ちだった。
優勝は嬉しいけど、タフだったよ。
まさか、デュバルが崩れる展開になるとは、誰も予想していなかったのではないか。デュバルに追いつくには、スタート奪取が必要だったが、上位選手は、誰も大きく伸ばせない状態。一方のデュバルもパーを重ねるだけで、膠着状態が5番まで続いた。
試合が動いたのは、6番からだった。デュバルは、6番で6m、7番80cm、8番6m、9番3mと4連続バーディで17アンダーと突き放した。
ターンの時点で、手嶋は11アンダー、同じ組の桑原克典は10アンダー、ジェリー・ケリーは9アンダーと、大きく差をつけられた。
しかし、勝負は、最後まで分からなかった。手嶋が11番でバーディも、デュバルも12番で8mを沈め、差が縮まらない。この時点で、6打差となり、雨も降ってきて、ギャラリーも帰り始めた。ところが、手嶋は、14番から、3連続で15アンダー。デュバルは、相性の悪い14番で、ティショットを林に曲げて、ボギー。手嶋が18番グリーンに上がり、バーディパットを打つ前に、なんと、デュバルが、17番で、まさかの4パットのダブルボギーを叩いた。
デュバルは、「17番は、右から11m。ラインが、上って下がるラインだったので、オーバーしなければいけなかったのに、2mもショートしてしまった。パーパットは、フックラインで、うち切れず、返しも外してしまった。でも、ダブルボギーパットが入ってよかったよ。」と振り返った。
デュバルのダボを知り、これを入れれば、優勝に大きく近づくパットだったが、惜しくも外れて、手嶋はデュバルを待つことに。
デュバルは、18番フェアウェイから、4Iでセカンドを狙う。しかし、今週は、ひっかけのボールが多くでていたようで、この大事な場面でも、ひっかけてバンカー、寄せるも入らずに、まさかのプレーオフに突入した。
プレーオフは、あっさりと。
先に打ったデュバルは、確実にフェアウェイを捕らえるも、手嶋は、左にひっかけ、木が邪魔で、まともに打てない。 出しただけの手嶋に対し、デュバルは、フロントまで、211ヤードを3Iで打ったが届かずに、手前のバンカー。手嶋のサードショットも、右のバンカーへ。そして、最後はデュバルのスーパーリカバリーショットで、OKにつけバーディ。最後の望みのバンカーショットが、カップに寄るも、入らずにThe
end。デュバルの初優勝が決まった。
最後は、バタバタしたもの、デュバルの強さが際立った大会だった。メジャーチャンピオンの技と迫力を随所にみせ、見ているギャラリーはもちろん、同じ組のプレーヤーも傍観者にしてしまうのは、タイガーと彼ぐらいしかいないのではないか。
一方の賞金王争いは、伊沢利光が、片山晋呉に約8,000万円の差をつけ、2試合を残して初の栄誉を手にした。
昨年の大会から色々あったフェニックスグループであったが、最後は王者の貫禄勝ちで締めくくられた。
ギャラリー数、9,858人。天候、曇、気温16.1℃。西の風、1.4m。