今季、ヨーロピアンツアーに本格参戦して、本大会に出場した手嶋多一が、見事に逆転勝利を決めた。欧州ツアーでは、20戦中9戦の予選通過という辛い経験となったが、その経験がこの大会に生かされたといえる。「途中でボード見て、トップに並んだのが分かった瞬間、少ししびれましたね。でも、それほど大きなプレッシャーはありませんでした」と振り返る。
後半5バーディの猛攻で手嶋が勝利!!
8バーディ1ボギーという内容で、通算13アンダーでフィニッシュした手嶋。先にホールアウトして、優勝争いをするクリス・キャンベルの12アンダーフィニッシュを待って、手嶋の勝利が決まった。
「優勝の瞬間は練習グリーンにいました。キャンベルはバーディを取ると思っていたし、プレーオフを覚悟していたんです。今日は、ジェット尾崎さんと回ることができて、とても楽しかったし、実はあまりプレッシャーを感じていなかったんです。ジェットさんと話をしながら、笑ってプレーしていました」と手嶋は振り返る。
「今日の優勝はまったく考えていなかった」
「優勝はまったく考えていなかったんですが、今日は追い上げようと思っていたので、それがうまくいって自信になりました。ヨーロッピアンツアーでは、自分のゴルフがこんなにも通じないものなのかと衝撃を受けましたね。毎週毎週、国が変わるし、アイルランドの寒さと雨風はすごかった。スイスでは初日、暑かったのに、2日目には雪が降りました。いろいろな国を巡るから面白そうだと思って行きましたが、ここでラウンドするプレーヤーの精神力はものすごいし、比較にならないほどハングリーだと感じましたね。でも、欧州に行って、本当に良かったと感じています」と手嶋は語る。
一気に押し寄せた様々な経験に、欧州ツアーでの望ましい結果は残せなかったが、その貴重な体験が、この大舞台で多いに生かされたといえそうだ。
そして、12アンダー単独2位にはI・J・ジャン。2位スタートだった谷口徹は、6アンダー10位タイに終わり、賞金王を確定することはできなかった。「パットのタッチが合わなかった。賞金王はまた来週ですね」と語っている。次週、片山が優勝すれば、逆転賞金王。もし片山が2位以下なら、谷口の賞金王が確定する。