35回目を迎えたダンロップフェニックストーナメント第1ラウンドは20日、宮崎・フェニックスカントリークラブ(7010ヤード、パー71)で開幕、4バーディー、ボギーなしと好プレーを見せたポール・シーハン(豪州)が4アンダー67で単独トップのスタートを切った。1打差2位には岩田寛、鈴木亨、近藤智弘の日本勢とヘンリク・ステンソン(スエーデン)G・カスタノ(スペイン)ブラント・スネデカー(米)プラヤド・マークセン(タイ)の7人が並んだ。
乾燥と高速グリーンでスコアは伸びずアンダーパーは22人。日本ツアーの賞金レースで2位の矢野東はⅠアンダー70の13位と好位置につけた。
注目の、10年ぶり大会出場のアーニー・エルス(南ア)は1オーバー72で34位、石川遼も1イーグル、2バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの72と同じく34位スタート。賞金レース首位を行く片山晋呉はイアン・ポールター(イングランド)と並ぶ2オーバー46位につけた。
「トラブルマン、石川遼の試練」
ボールを木の上に乗せるわ、蹴っ飛ばすわ、石川遼には大変な1日となった。
1オーバー72の顛末はこんな具合だ。
インスタートの14番、ティーショットは左林に飛び「しまった」。落下地点の林の中に行くとギャラリーがボールは落ちてこなかったと木の上を見上げる大騒ぎだ。石川もまじって探したが、ボールはついにみつからずロストボールのダブルボギー。が、これですまなかった。18番パー5で2オンに成功、4㍍のイーグルパットを沈めて胸を張ったのもつかの間、2番のことだ。
今度は右林に打ち込むと“脱出”に気をとられたのか、フェアウエーの方を見ながら歩くうち、あろうことか、砂地の上のボールを足先が蹴って20センチほど動かしてしまった。見ていたギャラリーが注意をする暇もない出来事に唖然とする遼、1ペナルティーのボギーは痛かった。
「14番のロストボールはスタートからスイングが悪いなと感じる中でのことであきらめられたが、2番は恥ずかしくて情けなくて動揺した。ショックは6番くらいまで続き、その間は同伴者にもギャラリーにも申し訳ないきもちでいっぱいだった」
右に飛んだボールが林のそばにあることを40ヤード手前で気がついていた2番。だが、木の間を抜こう、と考えて歩いた不注意だった。「ボールを蹴るというより踏んでしまった」―
練習やプライベートなラウンドも含め生まれて初めての経験。「本当にショック」とホールアウト後も思い出すたびに目の周囲が赤く染まって落ち込み状態は長く続いた。
米ツアー1勝、欧州ツアー5勝、ワールドランキング11位、売り出し中のヘンリク・ステンソン(スウエーデン)。そして日本ツアーで6勝、今は米ツアーで活躍するブラント・ジョーブ(米)とのラウンドは世界を目指す石川にとっては貴重な体験、気持ちが入った。だがスタート直後は、二人のパワーに圧倒され飛距離は出ず首をかしげるラウンドだった。「二人が飛ぶのではなく僕が芯に当てることができない、おかしいなという感じだった」という。それでも14番以降は15番で10㍍を入れるバーディー、18番のイーグルは残り255ヤードを3ウッドで3㍍と完璧な内容でパープレーに戻すなど迫力ある復活力を見せた。それだけにボールを蹴る1ペナルティーを含め3打も課されたペナルティーは、かえすがえすも残念なことだった。
通算1オーバーの34位。「よく踏みとどまったと思う」ホールアウト後、練習場で30分、しっかり打ちこんで気持ちを切り替えるとようやく落ち着いた。
「山あり谷ありもあったが、最終日、上位にいけるところで立ち止まれた。
あと3日間、スイングは今日より悪くならないと思う。体の大きな筋肉を使うスイングの感触が戻ったしパットもいい感覚で細いグリップのL字タイプに戻せた」笑顔ものぞいた。
この日、石川を襲ったのは何だったのか。あれこれ探せばいろいろとあろうが、ゴルフにはよくある“事件”が二つ一緒に来ただけと思うしかない。やる気が裏目に出、課題をまた積み重ねる、ゴルフはミスをしてうまくなることを強いる一連の儀式のようなゲームだ。順風満帆の若いゴルファーを見舞った荒療治の一日。石川は大好きなポールター、尊敬するエルスの目の前で貴重な体験をしたことを喜ぶべきだろう。こうして新たな一日は始まるのだ。
【ツアーお楽しみトピックス】 |
石川遼
(c)GolfPark 2008 |
主催: | 住友ゴム工業、フェニックス・シーガイア・リゾート、毎日放送 |
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主管: | 日本ゴルフツアー機構 |
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開催日時: | 2008年11月16日(日)~23日(日)
20日(木) | 予選ラウンド1日目 | 21日(金) | 予選ラウンド2日目 | 22日(土) | 決勝ラウンド1日目 | 23日(日) | 決勝ラウンド2日目 |
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開催コース: | フェニックスカントリークラブ
宮崎県宮崎市塩路浜山3083
TEL 0985-39-1301
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賞金総額: | 200,000,000円 |
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優勝賞金: | 40,000,000円 |
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アクセス: | JR宮崎駅より直行の無料シャトルバスをご利用ください。
お車でお越しの方はギャラリー用臨時駐車場をご利用ください。
駐車場からは送迎バスをご利用ください。 |
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TV放映: | MBS発JNN24局ネット
11月22日(土)14:00~15:54
11月23日(日)15:00~16:54 |
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お問い合わせ:
| 大会事務局 TEL 0985-37-9000(平日9:00~17:00) |
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公式サイト: | http://dpt.gr.jp/ |
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